2006年8月24日

「ダーク」 桐野夏生

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女探偵・村野ミロシリーズ。「顔に降りかかる雨」の続編。

いや〜 暗い暗い... ある意味タイトル通りだ。主人公の村野ミロ、前作の「顔に降りかかる雨」とは別人になってしまったかのような変貌ぶりだ。いきなり「死にたい」から始まり、どうせ死ぬんだからと、周りを巻き込みながらヤケクソに行動するミロ。殺人、レイプ、ホモセクシャル、麻薬、裏社会、ヤクザ... もう、読んでいてい気分が悪くなってくるのだが、そんな中で村野ミロの「死のう」から「生きよう」に変わっていく様は、重く暗いこの物語に一筋の光をもたらしている。

桐野夏生は「OUT」や「柔らかな頬」辺りの有名どころは読んでいる。とても好きな作家なのだが、この「ダーク」は微妙。物語としては面白いのだが、いかんせん「暗い」。読んでいる自分もズブズブと闇に沈んでしまうような感覚だ。

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