2009年3月22日

Sobbat Drive Breaker DB-1

折角アンプを作っているのに、スタジオに持って行くのは億劫だ。重いし。となると、やっぱり歪みはエフェクターに頼らざるを得ない。最近はもっぱら自作のAnalog man King of Toneを愛用しているのだが、中域のつやが少なく音が細いのがちょっと不満。もっと使える歪みはないものかと探していたら、Sobbat Drive Breaker DB-1の回路図をたまたま見つけた(どこで見つけたかは失念した・・・)。Youtubeで見てみると、なかなかイイではないか!

早速作ることにした。

残念ながら、回路図をどこで見つけたか失念してしまったので、作りたいのであれば自力で探してほしい。まずは回路図からレイアウトを起こし、基板を作成。

ちなみに上のは、同僚用のLandgraff Dynamic OverDrive。このDB-1は、ディストーションの割にはパーツが多め。特にTone回路が凝っている。オペアンプはJRC4558DDとTL074。ToneだけでTL074の2回路を使っている。

どうも私は、パーツを詰め込みすぎる癖がある。どっちみち1590Bでは入りそうもないので1590BBサイズのケースにしたので余裕があるはずなのに、気がついてみるとパーツぎちぎちw おかげでジャンプしまくりw でも、基板が出来上がってみると結構かっこいいね。キカイダーみたい(古!)。電解コンをあり合わせで済ませたので、メーカーがバラバラ・・・

さて、今回はケースの穴あけからラベル作成を紹介しよう。

まず、ラベルを印刷する。私の場合、ラベルにはインクジェット用ラベルシールを使用している。前にも紹介したが、Too.の耐水ホワイトラベルSGを愛用している。コレは強力お勧め! 発色も良く、耐水性はピカイチ。

まずイラストレーターでラベルのデザインを起こし、ついでに穴開け用のガイドも印刷する。

ケースにあわせて角を丸くしておくのがコツ。で、穴開けガイド用のプリントをケースに貼り、ポンチを打っておく。

次にケースの穴開け。私は「ミニホールソー」を愛用している。アキバの千石電商で購入。ちと高いが、その分楽。エフェクター用には、6mm、7mm、10mm、12mmぐらいをそろえておけばいいだろう。

このホールソー、センターにガイドの針が付いていて、ポンチを打っておけばズレる事がない。普通のドリルに比べて非常に綺麗な穴が開けられ、バリもほとんどでない。

次にラベルを貼って、開けた穴の部分をカッターでくりぬく。

結構綺麗でしょ? さて、次回は組み込みだ。
 
 

2009年3月15日

Thundertweak Heavywatter(1W 真空管アンプ) 4

パーツ装着が完了したところで、早速配線に移る。

線材はいつものように、信号ラインにはBelden8503、電源ラインにはBelden8522(18AWG撚線)を使用。特にノイズが乗りやすい部分にはマルチケーブルをバラしたシールド線を使用する。

真空管はプリが12AX7、パワーが12AT7のパラシングル構成。ちなみにver.1はパワーが12AU7になってる。配線は、出来るだけ信号ラインと電源ラインを近づけないように配慮する。特にヒーター配線は、宙に浮かせて配線してある。

ということで、完成!

自宅で使用するので、このままトランス・真空管はむき出しのまま。SPアウトもMarshall1912でしか使わないので8Ωオンリー。うん、綺麗に出来たぞ! 結構慣れてきたかな。

さて、キンチョーの音だし。

サンダーでヘビーということなんで、やっぱハイゲイン系なんだろうなぁ・・・ と予測していたのだが、

 その通り!w

クリーンなんて全然出ないw ゲインをどこに回しても歪んでる! ある意味清い。
それと、1WでもMasterフルテンは無理。せいぜい9時ぐらいまでしか上げられないのだが、それでも十分すぎるぐらい歪んでくれる。このアンプ、ブースターいらんですよ。単体だけで充分。トーンは、いわゆるギターのトーンと同じハイカット系。左に回すとモコモコになる。私は1時ぐらいがいい感じ。

早速録音した。環境はいつもの通り、SM57からAudio I/Fを通してCubaseSX3で録音。ギターはValley ArtsのS-S-H。キャビはMarshall1912。

まずはGain 9時、Tone 1時、Master 9時。





1Wでも、やっぱちゃんとチューブドライブの音(当たり前か・・・)。

次にGain12時、Tone 1時、Master 9時の音。





歪むねぇ。私の好みとしては、このぐらいがちょうどいい歪みだ。うん。

最後にGain3時、Tone 1時、Master 9時の音。





おおっ、立派なハイゲイン系ですなw ついつい激しいリフを弾いてしまうw ブースターを色づけ程度にかませるとイイかもね。

ということで、立派なおうち用練習アンプが出来た。満足満足!
 
ちなみに、レイアウト図とかほしい方は、コメント欄まで(今まで作ったエフェクター・アンプもね)。
 
 

Thundertweak Heavywatter(1W 真空管アンプ) 3

基板が出来たので、次にシャシー加工に入ろう。

私はいつも、シャシーのレイアウトにAdobe Illustratorを使用している。仕事柄慣れているし、なんと言っても綺麗に正確に作れる。穴を開ける場所もIllustratorで作り、プリントアウトをシャシーに貼り付けて作業する。

私の場合、必ず1.5mmの下穴を開ける。私の持っているドリルは、安物のせいなのかもしれないが、ポンチを打っても必ず左上に穴がズレてしまう。なので、下穴を必ず開けるようにして、ズレを最小限に抑えている。下穴はピンバイスで開けるのだが、コレが結構面倒。指も痛くなるし。

下穴を開けたら本来のサイズで穴を開けていく。電源トランス用と電源ソケット用の四角い穴は、前回同様ハンドニプラで開ける。

穴開け完了。ドリルで穴を開けると盛大なバリが出るので、カッターで丁寧にバリ取りをする。さて、早速パーツを取り付けよう。

ピンぼけはご愛敬w さて、フロントパネルはどうしようかな、といろいろ考えた。ダイモでもいいんだが、なんだか芸がないので、いつもエフェクターを作るときに使用しているラベルシールを使用した。今回シャシーはシルバーなので、ラベルもシルバーにした。いつかは塗装にもチャレンジしたいのだが、マンションのベランダでスプレーは確実に苦情がくるので無理。何かいい方法はないものか・・・

う〜ん、なかなかイイ出来だ。たまたまラベルの色とシャシーの色がマッチして、貼ってあるようには見えないでしょ? 満足満足。

さあ、お次はいよいよ配線だ。一気に仕上げるぞ!
 
 

2009年3月 8日

Thundertweak Heavywatter(1W 真空管アンプ) 2

さて、基板へのパーツ取り付けに入るとしよう。

1/2Wの抵抗はにXiconのカーボン・コンポジット、コンデンサはMalloryを奢る。東京出張のついでに桜屋電機さんにて購入。電解コンは日本ケミコンのKMG。これは三栄電波さんで購入。高耐圧の電解コンと言えば両リードタイプのをよく使うのだが、今回は省スペースにするために縦型を使った。

電源トランスは春日無線のH17-04211を使用。回路図では2次側が250Vの指定なのだが、250Vで小型のものは探しても全然無い。しょうがないので、130V-0-130Vをセンタータップを使わずに260Vで使用し、抵抗で電圧を下げることにした。80mAあるので余裕なのだが、小型なところがイイ。

次に出力トランスだが、回路図では1次側が50kΩになってる! そんな出力トランスは一般的には無い。いろいろと調べているうちに、コレはスプリングリバーブ・ドライバー用のトランスであることが判明。海外のコミュニティーでは、「Hammond 125Aをセンタータップ無しで使え!」とあったので探したのだが、日本でコレを売っている所はほとんど無い。で、いろいろ探しているうちに見つけたのが、Hammondの日本代理店であるクラシック・コンポーネンツさんだった。アキバに店を構えているのだが、通販もしてくれる。このお店、真空管に興味のある方は是非店に足を運んでほしい。店の扉を開けると、店中真空管の海! とんでもない! で、お店の方に話を聞いてみると、現在Hammondのトランスは価格が高騰しているらしく、しかも125Aはその上位モデルの125Bより値段が高くなってしまっているようだ。まあ、3Wか5Wの違いなんで、125Bを買うことにした。コレを書いている今、クラシック・コンポーネンツの通販ページを見ていたら、なんと販売中止になっていた・・・ あのとき買い占めておけば良かった・・・ この125シリーズ、端子の組み合わせによってインピーダンスが可変出来るようになっていて、なかなかユニークだ。本来はプッシュプル用の22.5kΩ/8Ωなのだが、センタータップを無しにして54kΩ/8Ωで使用する。ピンの組み合わせは4-5。

ケースはLEADのP-12を使用。もう少し小さいケースにしたかったのだが、コレが限界っぽい。

さて、すべてのパーツがそろって、基板が出来上がったところで、早速ケースの加工に入ろう。
 
 

2009年3月 2日

Thundertweak Heavywatter(1W 真空管アンプ) 1

自作真空管ギターアンプの第三弾!

自作第一弾のMatchless Lightning、第二弾のDr.Z Carmen Ghiaに続く第三弾は、出力1Wのチューブアンプ「Thundertweak Heavywatter」だ。前から気になっていて、いつか作ってやろうとずーっと思ってた。自宅練習には1Wで充分。充分どころか、1Wでも結構侮れない。迷惑千万な爆音が轟き、苦情必死である。0.1Wぐらいがちょうどいいかも。

このアンプ、以前はレイアウト図がThunderTweakのページで公開さてれたそうなんだが、今はなぜか公開されていない。仕方なく「Thundertweak Heavywatter」でググると、ver.1.0の回路図、ver.1.2の回路図&レイアウト図、ver.3.5.2のレイアウト図がヒットする。バージョンが最新の3.5.2がいいのだろうが、今回より小さく作ろうと思い、ポイント・トゥー・ポイント配線ではなく基板で作ることにした。なので、回路図がない3.5.2はパスして、ver.1.2を作ることにした。

まず、回路図から基板用のレイアウトを起こす。そんなにパーツが多くないので楽勝。折角なので、基板作成から紹介することにしよう。

まず、レイアウトをDIY Layout Creatorで起こす。今のところ、これが一番使いやすい(というかこれしかない)。かなり重いアプリなんだけど、フリーウエアだし、きれいに出来るので我慢して使ってる。レイアウト図からプリントパターンまでコレ一本で出来ちゃう。まず、パターンをインクジェット用のOHPシートにプリントし、そしてそれを感光基板に重ねて露光する。私はもっぱら太陽光で露光するんだけど、曇っていても時間をかければ案外露光できる。晴れていればモノの数分で露光完了。

はじめは全面緑色なんだけど、光に当たったところだけ茶色になる。コレを現像液に浸ける。

すると、光があったった茶色の部分が溶けて、下地の銅(?)が姿を現す。

つまり、銅がむき出しになったところをエッチングで溶かすわけだ。緑色の部分はコートされているので溶けない。このエッチング液が劇薬。こぼさないように丁寧に慎重に扱う。近くに金属のモノをおいておくと、液が飛び散ったときに大変。溶けます。服に付こうものなら、黄色くなって洗濯しても取れない。

このエッチング液、結構長く使い回しているんだけど、全然平気。まだまだ使える。今は寒いので、お湯で暖めながら、ゆらゆらと揺らしているとだんだん溶けてくる。時々出して溶け具合を確認。で、溶けたら洗って、再露光。現像液に浸せば、パターンが出来上がり。で、出来上がったのがコレ。

う〜ん、ピカピカできれいだ・・・ で、穴開け。私はサンハヤトの基板穴開け専用ドリルを使っているが、ピンバイスとかでもOK(時間がかかるけど)。最後にフラックスを塗って完成。

さて、お次は基板にバーツをつけていくことにする。