2006年1月20日

「トワイライト」 重松清

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重松清は、私の大好きな作家。特に親子物は涙なしでは読めない。また、誰もが経験する少年・少女時代を、何とも「いいところをついてくるなあ…」という感じで描く。この「トワイライト」も、少年・少女時代に抱いた自分の未来と現実のギャップを、「そうだよな〜」と身につまされるエピソードで綴っている。

小学校時代に埋めたタイムカプセルを、30代後半になったクラスメイトで掘り起こす。未来の自分に宛てられたものは? そして現実は? 読んでいるこちら側も、実に「アイタタタ...」といった感じだ。本のタイトル通り、黄昏れてしまった30代後半の登場人物たちが、過去の自分から届いたメッセージを受け、何を考え、さらに現在から未来へ何を願うのか? 何を望むのか? 何を残すのか...

私も登場人物たちと同年代であり、読んでいて身につまされるというか、悲しくなってきた(笑。「初心忘れるべからず」とは言うが、「生きていく上でのモチベーションの維持」は、なかなか難しいのが現実。読み終わった後、ダラダラと生活してしまっている自分に対して「ちゃんとしろよ!」と言いたくなる小説だった。

同著書の「疾走」や「流星ワゴン」なんかの派手さはないが、私は好きな作品だ。

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