2006年2月 8日

「星々の舟」 村山由佳

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第129回直木賞受賞作。4兄妹と父・母それぞれのストーリーが短編になって繋がっている。どの話も一つの小説として逸品だ。それらのストーリーが、夜空の星座のごとく線で繋がり、一つの形と成している感じだ。

しかし、読み終えて思った。「こんなエロい家族いるかいな...」。禁断の恋に悩む次男と長女、本妻が亡くなった後、すぐに妾と再婚する父、ダラダラと不倫を続ける次女、罪悪感に駆られながら部下と不倫をする長男... とまあ、まさに「色情家族」である。

正直、あまり好きな作品ではない。結局何が言いたいのかよく解らないまま、「なんだかエロい話が続いて、最後に父の戦争話で終わり」って感じだ。直木賞=おもしろいとは限らないな、と感じた作品だった。しかし、一つ一つの物語は、短編として逸品であることは間違いない。ただ私の肌に合わなかっただけだ。

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